最低時給1,054円のインパクト

毎年10月に最低賃金の改定が予定されていて、今回も大幅にアップすることが見込まれているようです。なんでも全国加重平均で1,054円になるとか。全体的には50円のアップが予定されているそうで、そうなると我が滋賀県は、967円⇒1,017円となり、いよいよ1,000円超えですかね。

私が社会に出た1998年は、滋賀県の最低時給は635円だったそうです。それから25年経過した2023年(前回)で967円なので、約1.5倍ということになります。日本経済が1.5倍に成長したのであれば自然な話ですが、1998年の国内GDP(名目)は504兆円、2023年は591兆円らしいので、約1.2倍です。率で言えば経済成長を大きく上回る最低時給の上昇なので、社会に与えるインパクトは相当大きいだろうなと、戦々恐々としています。

最低時給は国の定めたルールなので、すべての給与所得者に適用されます。給与所得者にとっては時給が上がってラッキーなのですが、給与は会社の売上が原資です。ですので売上も同様に上がるのかが次の焦点になります。

売上は単価x数量で決まります。既に日本は人口減少に突入していて数量アップはあまり期待できません。食べる量もあまり変わらないし、たいていのものは1個あれば十分ですから。すると単価アップということになりますが、これは消費者がなかなか許してくれません。顧客ロイヤリティが高くて、高くても買うという商品なら単価アップも可能でしょうが、ボーダーライン以下の商品は単価アップは許容されないでしょう。単価アップなんて言おうものなら、他のところへ行ってしまいます。業界にもよりますが、値上げできるところが半分、値上げできないところが半分という感じではないでしょうか。

値上げできる会社に勤めている給与所得者は最低時給アップの恩恵を得られますが、値上げできない会社に勤めている給与所得者は時給アップは難しいでしょうね。表向きは時給アップしておいて、サービス残業が増えたりするのかもしれません。労働時間を減らしてくれれば、まだ良心的な方かもしれません。空いた時間で副業やアルバイトができますし。

今回の最低時給アップ幅は5%程度だそうです。給与所得者を抱えるすべての事業者に影響する要素ですが、経営に与えるインパクトは会社の事情によって異なります。何となく5%程度の事業者は闇落ちしていくのではないかと思っています。闇落ちというのは倒産や廃業です。闇落ちした経営者や従業員は、値上げできる会社の給与所得者として吸収されていくか、あるいは個人事業主登録するか。

そういえば昨日タイミーが株式上場されたそうです。零れ落ちた人のセーフティーネットになりそうで、とても有意義なビジネスだと思いますが、タイミーが流行るのも時代を表しているなと思います。

そういえばタイミーって書類審査とかないのかな?こんな50代のおっさんでも雇ってくれるのかな。登録者には50代が19%もいるらしいので、珍しくはないのかな。ちょっと他の会社を覗いてみたいので、笑

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