常識の擦り合わせが難しい
仕事をしていて、常に意識しているのが、自分本位でなく相手の理解度に合わせた丁寧な説明。自分は起業する前にパソコン教室を運営していた経験があって、そこでいろいろなITリテラシーの生徒さんをご指導した経験もあるので、「自分が当たり前と思うことが、他人にとって当たり前ではない」というのは骨身に沁みてわかっているつもりなのですが。いつの間にか、その初心を忘れてしまっていたようで、自分としては当然伝わるだろうと思って伝えていたことが、実は全然伝わっていなかったという事案がありました。
自分には自分の常識があり、当然理解されるものと思っている。相手には相手の常識があり、相手は当然こういうものだと理解している。そのギャップの大きさに気付いた時は、お互いに驚き、失望し、怒りが湧きます。「ここまで説明してわからないのだろうか?」という相手を責める思いも一瞬湧いたのですが、いつのまにか相手を色眼鏡で見てしまい、「これぐらいはわかるだろう」と期待値を上げていたんだろうなと気付きました。
ウェブがビジネスで当たり前のツールになり、以前に比べてずいぶん話が通じやすくなりましたが、まだまだ知識の壁は厚い。大多数のお客さんが正確に理解してくれたからと言って、次のお客さんにもその言葉が理解されるとは限らない。相手のリテラシーを素早く見越して、適切なレベルで話すって、本当に難しいなと思いました。
多種多様のお客さんとシビアに取引するB2Cビジネスが、あらかじめサービス説明資料や契約書をキッチリ用意しているのも納得です。そもそもバックグラウンドもリテラシーも異なる双方が取引をする場合のファイナルアンサーはおそらくそれになるのでしょうね。今回、自社のサービス説明の甘い部分がわかったので、これを教訓にさらにブラッシュアップしていきたいと思います。