実は創業支援案件ではないかと思う相談事例
前回、「実は事業再生案件ではないかと思う相談事例」というのをやりました。事業再生案件と思う相談事例に出くわすことは極めて少ないのですが、昔からずっと多いのが「創業支援案件ではないかと思う相談事例」です。今回はこのテーマについてお話してみたいと思います。
「新規事業を始めるのでホームページを作りたい」というご相談があったとします。この手のケースで製造業・卸売業・小売業だと比較的わかりやすいです。というのもモノがあるから。でも商品がまだ決まっていないというケースが多々ありますね。その時点でホームページの見積もりを出してくれと言われてもなかなか難しいのですけど・・・(^-^;
新規事業の熱い思いについてはたくさん語っていただけるのですが、商品仕様に関しては曖昧。目の前に商品がないわけですから、どういう属性があって、どういうオプションがあって、どういう要素によって価格が決まるのかといったことが、こちらも推測することができない。まぁ、とはいえモノが介在するビジネスの場合は最終的にモノを作る・仕入れる段階で事業者さんが自分で決めることになりますから、まだマシです。
一番困るのが、サービス業の新規事業です。その中でも事業主さんが自分の身体を入れてビジネスに取り組む場合が一番大変です。事業主さんとしては、自分で考え、自分で行動するわけですから、柔軟で取り組みやすい事業だとは思うのですが、そのぶん「やってみないとわからない」「やりながら考える」となりがちです。
ホームページ制作業者は、基本的にホームページを制作して納品するまでの請負業務なので、サービス内容をしっかり事業者さんに決めていただきたいのですが、仮にサービス内容が決まってホームページを作り始めたとしても、出来上がる頃には、すでに事業内容や対象ターゲットが変わっていることがあります。そうなると作り直しになりますから、それに追随していくのがコスト的に難しい・・・。
ホームページ納品までの請負業務として受注するのではなく、事業の変化にあわせて追随していくという委任業務として受注するのであれば、こちらも喜んでお付き合いできるのですが、そうなると制作サービスの付いたコンサルみたいになってきます。商品・サービスが決まるまで迷走するな・・・というのは事業主さんとお話すると何となくわかりますので、そういうケースは「商工会議所さんや創業支援コンサルタントさんにまずは創業支援のご相談していただいて、事業計画や商品・サービス内容を明確にしてください。そこで練った計画を持ってもう一度ご相談ください」とお伝えしています。
私たちにもう少し力があればいいのですけど、今のところ私たちはホームページを作り、それをネットで広めるという業務で精いっぱいですので、事業計画や商品・サービス内容については、専門家等の力を借りて、できるだけ明確にしてから、ご相談いただけるとたいへん助かります。