実は事業再生案件ではないかと思う相談事例

ネタが無いので、ちょっとした小話でも。とある老舗の接客サービス業のホームページリニューアルをご相談いただいたことがあります。建屋は鉄筋コンクリート造のビルティングで、とても立派で頑丈そうなのですが、おそらく昭和に建てたものと思われ、やはり古さは目立ちます。たとえ建物が古くても、肝心の接客サービスがしっかりしていれば、これからも十分にやっていけるし、ホームページ制作業者としてもぜひ腕を振るいたいところなのですが、そのクライアントさんはサービスに対するクチコミも酷評が目立ちました。さてどうしよう・・・(^-^;

もちろん仕事と割り切ってホームページ制作をすることはできます。ただ一般的なアプローチは、「ホームページを見やすくする、綺麗にする」というものですから、古い建屋のこのクライアントさんではなかなか難しいものがあります。過去にもこういうケースは何度もありまして、建屋が古いのであれば、綺麗なところだけを見せればいいじゃないかというスタンスでホームページ制作を取り組んだこともあるのですが、結果として「ホームページを見て行ってみたけど、実物は全然違った。残念だった。」という感想を知り合いからちらほら聞く羽目に。ホームページが綺麗になってクライアントには喜んでいただけましたが、結局はミスマッチを増幅しただけだったのです。

そういう苦い経験もありましたので、「ホームページを見やすくする、綺麗にする」というアプローチはとりあえず横に置いておいて、サービス品質の高さを訴えるというアプローチで検討するわけですが、クチコミも悪いとなると、なかなか厳しいものがあります。クチコミも当てになりませんから、社長ともお話させていただきましたが、事業環境の変化をあまり感じておられないご様子。感覚もやはり昭和な感じなのですよね。戦後すぐの団塊世代の方なので、仕方がないとは思うのですが。

悩んだ挙句、これは事業再生案件と考えるべきだろうと考えはじめました。ホームページで事業再生を実現することも不可能ではないかもしれませんが、基本的には会社や商品やサービスを広告宣伝するためのツールですので、時間を掛けて相当な信頼関係をクライアントと築き、事業再生の1つの手段としてホームページを提案する、ぐらいのスタンスで付き合わないと、何の効果も出ず、逆にミスマッチを増やすだけだろうと思いました。弊社に事業再生をお手伝いできる力と覚悟があるかというと、、、やはり力不足であると感じ、ホームページ以外の事業投資を優先させてくださいとお伝えして、そのご相談は終わりました。

このようにホームページ制作以前の問題として、事業再生プランが決まっていない、あるいは新規事業プランが決まっていないけど、ホームページで広告宣伝することは決定しているので、とりあえずホームページ屋さんに相談!というケースがかなりあります。どこに相談してよいかわからないというお気持ちはわかりますので、こういうケースについては弊社から各分野の専門家(経営コンサルタントさんや中小企業診断士さん)をご紹介させていただきつつ、連携しながらホームページ制作を進めさせていただこうと思っております。