御社では共育ちを実践していますか?
私が足繫く出入りしている滋賀県中小企業家同友会に、「共育ち」という言葉があります。先日の勉強会では「御社では共育ちを実践していますか?」的なお題が提供されて、「共育ち」についてあれこれ考える機会があったので、それについて書いてみようと思います。
「共育ち」は社員も育ち、経営者も育つような会社にしていこうという考え方だと思います。弊社も共育ちについてはまだまだだと思いますが、実践していることが2つあります。
「共育ち」の施策の1つ目は組織化。以前は私がトップで、社員は私を唯一の上司とするフラットな組織でした。フラットというと聞こえは良いですが、企画から納品まで一つの仕事を一人で完結して行う個人事業主の集まりのような感じだったかもしれません。この問題点は、私が忙しくなると社員のサポートに手が回らなくなることと、社員同士に協業意識が育ちにくいこと、仕事が属人的すぎて引き継ぎが困難なこと、必要スキルが高すぎて新人が現場に入れないことがありました。これらに悩んだ結果、コロナ禍直前に始めたのが2グループによる組織制です。各グループにはグループリーダーを設け、グループメンバー > グループリーダー > 社長という3階層の組織にしました。これによって大きく前進したなと思うのが協業意識の高まりと割り当てられたポジションに応じて適切な自主性と責任感が発揮されるようになったということです。グループ内や社員同士のコミュニケーションは増えて、会社としては和気藹々としてきました。私の意見を聞かなくても、少なくとも制作現場の事柄に関してはグループリーダーで意思決定し、ルール策定できるようになってきたので、特にグループリーダーがめきめきと成長したなと感じています。グループリーダーもグループメンバーと相談しながら決めるので、結果的にグループメンバーの成長にも繋がっている気がします。
そして「共育ち」のもう1つの施策は行動目標。これは最近始めたのですが、各人が3つ以上の行動目標を立てて実践しています。行動目標はできるだけ数値に落とし込み、達成したかしていないかが毎月わかるようにしています。実は私もこれをしていて、言い出しっぺということもあって、5つの行動目標を設定しました。この5つの中で一番やっかいなのが「1ヶ月に20枚の名刺をもらう」というものです。できれば会社の中に閉じこもっていたい自分としては非常にストレスの掛かる行動目標なのですが、会社の外の人々にどれだけお役立ちできるかが私たちの仕事なわけですから、自分を叱咤激励しながらやっています。最初は嫌々ながらも名刺交換していたのですが、最近はあまり何も考えずに名刺交換できるようになりました。名刺交換から話に花が咲くこともあり、人の縁ができたり、業界のトピックを知ることができたりして、なんだかいい感じになってきました。自分としては行動目標で自分が少しずつ変わっていくのを感じていますが、社員の面々も行動目標の実践で自分を成長させていってくれればなと思っています。
弊社が実践する「共育ち」はこんなところです。自分としては1番の組織化がうまく行ったので、それによって生まれた余剰時間を使って、2番の行動目標を実践できているといった感想です。他にもまだまだやるべきことがあると思いますので、社員や会社にとって良い「共育ち」の実践があればしっかりパクッて(笑)、良い会社にしていきたいと思っています。